新着情報 News

教職を目指す学生が把握しておくべき学習指導要領の変遷
その他 2020年12月03日

子どもたちにより良い教育を行うため、学習指導要領は改訂し続けられています。各教科の教員や養護教諭、栄養教諭等は、時代に応じた教育を行うために学習指導要領をしっかり把握しておく必要があります。
そこで今回は、教職を目指す学生が把握しておくべき小・中学校の学習指導要領の変遷についてお伝えします。

戦後(昭和22年)に作成された初めての学習指導要領

昭和22年、学校教育法および学校教育法施行規則が規定され、規定に応じて学習指導要領が制定されました。この学習指導要領では、算数科・家庭科・社会科・図画工作科・理科・音楽科・国語科の各編が刊行され(体育科編は昭和24年に刊行)、社会科や家庭科の新設、クラブ活動等の自由研究の新設、各教科の授業時数が制定されました。
しかし、戦後の教育改革の急に迫られて作成された昭和22年の学習指導要領は、教科間の関連が十分に図られていない等の問題があり、昭和26年に全面的に改定されました。昭和26年の改定では、一般編と各教科編に分けて学習指導要領が刊行され、各教科の配当授業時数の見直しや道徳教育の役割の明確化、健康教育の必要性が提示されました。

昭和33年〜の学習指導要領の改定

昭和26年の学習指導要領は、全教科において戦後の新教育の経験主義や単元学習に偏り過ぎる潮流があり、地域による学力差の解消や基礎学力の充実が求められました。また、科学技術が進行することによって理科・数学教育の改善が要請され、昭和33年の教育課程審議会からの答申を受け、昭和36年より改定後の学習指導要領が実施されました。
この改定においては、一般編と各教科編に分かれていた学習指導要領が一つの告示としてまとめられ、教育課程の基準としての性格が明確化されました。

昭和43年〜の学習指導要領の改定

社会・文化の進展や国際的な地位の向上を受け、昭和43年には、教育内容の一層の向上(教育内容の現代化)が進められました。また、昭和48年には高等学校への進学率が90%を上回り、教育現場が急速に変化したことを受け、昭和52年には、児童・生徒の知・徳・体の調和が取れた発達を目指して学習指導要領が全面改定されました。
その後、情報化や国際化、核家族化など、社会の大きな変化を受け、平成元年には社会の変化に自ら対応できる人間の育成を目指して学習指導要領が改定されました。平成10年に改定された学習指導要領では、ゆとりの中で生きる力を育むことを重視し、完全学校週5日制が導入され、教育内容が厳選されました。

平成20年〜の学習指導要領の改定

平成20年には、生きる力の育成や基礎的・基本的な知識・技能の習得を目指し、授業時数の増加や指導内容の充実、小学校外国語活動の導入などが行われました。平成27年の学習指導要領の一部改正では、道徳が「特別の教科」としてより重視されるなど、社会の変化を受けて教育の在り方も変化し続けています。
各教科の教員や養護教諭等は、これまでの学習指導要領の変遷に関して理解を深め、今後の社会の状況に応じて指導を行う必要があります。

今回のまとめ

学習指導は、子どもたちにより良い教育を行うために改訂し続けられており、各教科の教員や養護教諭等は、自身もより良い学習指導について検討することが重要です。各教科の教員や養護教諭等は、今後も時代を見据え、学習指導要領に関して理解を深めながら指導を行う必要があります。

 

平成29・30年改訂 学習指導要領、解説等:文部科学省

To top
  • 瀬木学園
  • 愛知みずほ大学大学院
  • 愛知みずほ短期大学
  • 瑞穂高等学校
  • 瀬木学園図書館