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「生活習慣と身体症状、学業成績との関連について」の研究の紹介
その他 2021年1月12日

大学生や専門学校生の成績には、生活習慣や運動習慣、勉強習慣、勉強する動機など様々な要因が影響していることが考えられます。学生の成績を向上させるためには、これらの要因一つひとつに着目し、学生に対する生活指導方法や講義内容を改善する必要があります。
そこで今回は、愛知みずほ大学大学院・名古屋平成看護医療専門学校による「生活習慣と身体症状、学業成績との関連について」の研究を一部紹介します。

学生のGPAや生活習慣などに関するアンケート調査

本研究では、専門学校の学生131名を対象とし、GPAや睡眠の習慣、アルバイトの習慣、趣味・娯楽の習慣、身体症状に関する状況に関してアンケート調査を行っています。
アンケートでは、平日・休日・試験前における睡眠時間、アルバイトの時間、趣味・娯楽に費やす時間などに関する項目や、学生の主観による睡眠の質、講義中の居眠り頻度、自覚している疲労感に関する項目などが設けられ、学生の成績と生活習慣の関連性に関して分析しています。

学生の成績と睡眠の関連性に関する考察

GPAと睡眠の関連性を分析した結果、GPA上位群の学生ほど起床時間や就寝時間が早く、睡眠を十分にとっていることが分かりました。また、GPA上位群の学生は、GPA下位群の学生と比べ、アルバイトがある日においても睡眠時間を十分に確保していることが分かりました。一方、GPAの下位群の学生は、平日・休日・アルバイトがある日に関わらず、睡眠時間が少なく不規則な生活を送っている傾向がありました。
ただし、睡眠が十分であっても日中に眠気がある学生がいたことから、睡眠の質や量だけが成績に影響しているわけではなく、学生自身の学習意欲や講義内容に問題がある可能性が推察され、この論文の作者は、学生に対する指導や教員の指導技術を向上する必要性があると考察しています。

学生の成績とアルバイトの関係性に関する考察

GPAとアルバイトの関連性を分析した結果、GPA上位群はアルバイトを行っていない割合が高く、GPA下位群はアルバイトを行っている割合が高いことが分かりました。また、GPA下位群はアルバイトを行っている時間が長く、試験1週間前でもアルバイトを行っている学生が多い傾向にありました。以上の結果より、この論文の作者は、アルバイトを行うことによって睡眠時間が不足し、成績に悪影響を及ぼすことを推察しています。
また、学生がアルバイトを行う理由に関する調査では、学費や生活費のためではなく交遊費や旅行費などに充てるという回答が多く見られました。この論文の作者は、アルバイトの時間が長い学生ほど学業よりも遊ぶことを優先していると推察しており、アルバイトが学生の社会性に良い影響を与えていることなどプラスの要因も考慮した上で、学生に対して生活面での指導を行う必要があると示唆しています。

今回のまとめ

今回は、愛知みずほ大学大学院・名古屋平成看護医療専門学校による「生活習慣と身体症状、学業成績との関連について」の研究を一部紹介しました。研究内容の詳細は、以下のURLより閲覧することが可能です。

山北 和幸・土田 満「生活習慣と身体症状、学業成績との関連について」(瀬木学園紀要 No.16 2020年3月発行)

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