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「養護教諭のニーズに関する研究」の紹介
その他 2021年1月12日

養護教諭は、学校現場において子どもたちの心身の健康を維持するために重要な役割を担っています。養護教諭は、他の教員や保護者から求められるニーズを的確に捉え、養護教諭としての職務や保健室経営に関して見直すことが大切です。
そこで今回は、愛知みずほ大学大学院による「養護教諭のニーズに関する研究」の研究を一部紹介します。

養護教諭のニーズに関する調査の対象者と検討方法

本研究では、愛知県内で就業する養護教諭、小中学校教員、保護者を対象とし、調査用紙による調査を実施しています。調査では、養護教諭、小中学校教員、保護者の年齢や性別等の属性を分析し、「救急処置」「感染症予防」「疾病の管理」「健康相談」「保健教育」「個別支援」「コーディネート」の項目により養護教諭自身が認識するニーズと、教員・保護者が求めるニーズに関して検討しています。

養護教諭のニーズの認識と教員・保護者が求めるニーズの差に関する考察

養護教諭自身は、「救急処置」「疾病の管理」「個別支援」のニーズが高いと捉えている一方、教員は「保健教育」、保護者は「感染症予防」「健康相談」「コーディネート」のニーズを持っている人が多い傾向にありました。このように養護教諭と教員・保護者間で認識に差があることが認められ、この論文の作者は、養護教諭の年齢や経験年齢が低いことや力量不足等により、保護者からのニーズを適切に把握できていないと考察しています。
また、保護者からニーズの高い「コーディネート」は、養護教諭が担う重要な役割ですが、外部機関との連携等の窓口業務は、現状管理職が行っていることが多く、実施指針が不透明であることなどの要因があると推察しています。

養護教諭・教員の属性によって見られた傾向に関する考察

小学校に勤務する養護教諭は、中学校等に勤務する養護教諭と比べ、「保健教育」において高いニーズを感じていることが分かりました。この理由についてこの論文の作者は、小学校では保健指導の機会が多く、子どもに対して直接指導を行うことによって期待感を肌で感じていることを推察しています。
また、40代以上の教員は、養護教諭に「個別支援」「コーディネート」のニーズを高く持っていることが明らかになり、この論文の作者は、教員の年齢が高くなるほど養護教諭と連携した指導の重要性を認識している傾向があると推察しています。また、20代や30代の養護教諭や経験年数19年以下の養護教諭は、「力量の悩み」を多く持っていることが認められ、経験量が悩みの要因と関連していることを示唆しています。

今回のまとめ

今回は、愛知みずほ大学大学院による「養護教諭のニーズに関する研究」の研究を一部紹介しました。研究内容の詳細は、以下のURLより閲覧することが可能です。

加藤 美智子「養護教諭のニーズに関する研究」(瀬木学園紀要 No.16 2020年3月発行)

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