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「高校生の短距離走と持久走・長距離走での負傷要因に関する検討」の研究の紹介
その他 2021年2月15日

学校の体育教育では、子どもたちが生涯に渡って健康的に運動を行い続けることができるよう、スポーツの楽しさや運動時の注意に関して適切に指導することが大切です。
そこで今回は、医療法人鉄友会宇野病院リハビリテーション部・愛知学院大学心身科学部健康科学科・愛知みずほ大学大学院人間学研究科による「高校生の短距離走と持久走・長距離走での負傷要因に関する検討―負傷部位の違いに着目してー」の研究を一部紹介します。

高校生の走行における負傷部位に関する研究方法

本研究では、東海北陸7県における高校生の学校管理下で発生した負傷や疾病を対象とし、全競技の基本動作である「走行」に着目して負傷部位に関して分析しています。また、走行の種類を短距離走と長距離走に分け、負傷の要因や予防対策などに関して検討しています。

高校生の短距離走における負傷内容と予防方法

短距離走では、大腿部・股関節において優位な関連が認められ、肉離れや筋腱部の負傷を含む挫傷・打撲が84.9%と最も多い結果が得られました。
この論文の作者は、この結果に対し、短距離走を行うことによって筋肉が長く大きい大腿四頭筋やハムストリングに大きな負担がかかると考察しています。また、先行研究において、大腿部・股関節の肉離れや筋腱部の負傷の要因は、ハムストリングスの筋群の柔軟性が欠如していることや、大腿四頭筋とハムストリングスの筋力差などが挙げられていることから、負傷予防のためには十分かつ適切なウォーミングアップや筋力バランスを整える必要があると示唆しています。

高校生の長距離走における負傷内容と予防方法

長距離走では、膝部から末梢の部位において優位な関連が認められ、下腿部では挫傷・打撲が65.8%、骨折が28.8%、足関節では捻挫が92.6%、足・足趾部では骨折が62.5%の割合を占めました。
この論文の作者は、長距離走で疲労骨折の発生頻度が高い要因として、連続的に骨に強い衝撃が繰り返される動作を反復することにより、骨へのストレスが蓄積されることを挙げています。また、走行距離が長くなるほど負傷率が高いことから、高校生の1日の走行距離の制限や走路の選別、ランニングシューズの選択などに関して考慮する必要があると示唆しています。

今回のまとめ

今回は、医療法人鉄友会宇野病院リハビリテーション部・愛知学院大学心身科学部健康科学科・愛知みずほ大学大学院人間学研究科による「高校生の短距離走と持久走・長距離走での負傷要因に関する検討―負傷部位の違いに着目してー」の研究を一部紹介しました。研究内容の詳細は、以下のURLより閲覧することが可能です。

三浦 卓 ・下村 淳子・佐藤 祐造「高校生の短距離走と持久走・長距離走での負傷要因に関する検討―負傷部位の違いに着目してー」(瀬木学園紀要 No.15 2019年3月発行)

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