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2021.10.01
母から私、そして私から息子への宝物
私が妊娠して初めて母子健康手帳を手にしたとき、母が「たしか、あなたの手帳もしまってあるよ」と言って、引き出しからゴソゴソと小さな茶色っぽい手帳を出してきてくれた。
私が初めて見た母の母子健康手帳である。手にしたばかりのピカピカの自分の手帳と並べてみて、時代の流れを感じさせる手帳であった。母と一緒に手帳を開いてみると、特別にミルクの配給があったことなどが記載されていて、ますます時代を感じることとなった。「あなたがお腹にいるときは、あんまり栄養のあるものを食べれなかったけど、無事に生まれてきてくれてよかったわ」としみじみと話してくれた。母親という同じ立場になった母と私の懐かしいやりとりであった。
私の母子健康手帳はといえば、息子の成長とともに、やはり引き出しの中にしまわれることとなった。授業で、学生に母子健康手帳の話をすることがあり、久しぶりに引き出しの中から取り出してみた。私はごちそうを食べていた訳ではなかったが、息子の体重は3,420グラムもあり、新生児室に並んでいる赤ちゃんの中で一番大きかったことが思い出された。私が産休明けで職場復帰したこともあり、息子の子育てを、母にたくさん助けてもらったことなども思い出されて、改めて亡き母への感謝の思いが募った。
(N)