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2023.06.14

母子健康手帳からの学び

学校見学をさせていただいた際、母子健康手帳の誕生の話に感銘を受け、インターネットで検索したり、身近な人に話を伝えたりもした。だが、それはほんの一部の情報に過ぎなかったと、今回の調べ学習で知ることとなった。

公的機関で受け取る母子健康手帳は、妊娠の実感を高め、出産までのストーリーを記録として刻んでいく。子供が乳幼児の場合、子供とセットでなくてはならないものの一つが母子健康手帳であり、常に身近に存在する。子供の月齢と照らし合わせながら心身の健康状態を確認し、今するべきことを知るうえで非常に役立つ。

母子健康手帳の一番重要で基本となる価値は、それらをひとつにまとめた点にあると知った。母親と子供の健康をセットにして考えるという発想は時代を超えて通用している。また、母子健康手帳のもう一つの特徴である継続的な記録と情報の共有は、妊娠、育児期間中とても心強いものになるだろう。母子健康手帳の柱というべきこの二つが、家族や保健医療スタッフとの情報共有を可能にし、母親や子供の状況に見合った安全で継続的なケアを可能にする。そして、これこそが母子健康手帳が長く存在する理由だと思う。

日本発祥の母子手帳が、海外の多くの国でも妊婦や子供達の健康改善に役立っていることを初めて知った。特に途上国での普及は、乳幼児死亡率減少に多大なる力を発揮していることから、母子手帳の偉大さを感じざるを得ない。

母子健康手帳の歴史も大変興味深いものであった。前身である妊産婦手帳も母子手帳も、戦時中、戦後と日本の過酷な状況の中で生まれたことに大変驚いた。そのような時代背景においても、母子の健康を思う気持ちが日本人の心の中に存在したことを誇りに感じた。妊婦や乳幼児を抱えた母達は、配給手帳ともいうべき母子手帳に生きる希望を得たに違いない。

母子健康手帳が交付されるまでの経緯を知り、あらためてご尽力された方々に敬意を表したい。未来を支えるべき子供を大切にする思いと、その母をも同じように尊ぶ気持ちが、母子健康手帳とともに受け継がれていくことを私は願ってやまない。常に最新の知見を取り入れ、時代に合わせて改正を重ねている母子健康手帳が、より多くの親子に活用されることを願っている。

(happy)

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