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母親と子どもの心と体の健康を見守る『母子健康手帳』

数年ぶりに母子健康手帳を手に取った。最初に目に飛び込んできたのは、自分が書いたとは思えないような丁寧な文字で書かれた氏名と住所だった。その瞬間、母子健康手帳をいただいた時に「母になる覚悟」ができ、神聖な気持ちで氏名を書いた情景がよみがえった。

ページをめくると、子どもの胎動についてのグラフが貼ってあった。ズボラな私だが、毎日の胎動の回数・時間が丁寧に書かれていて驚いた。出産後には、身体発育曲線に子どもの測定値をプロットし、「小さめだけど順調！」のコメント。生後４ヶ月なのに歯茎に白いモノが見え始め、心配して病院へ電話をした記録。乳児湿疹が気になって保健師さんに来宅していただいた記録など、毎日一喜一憂している様子が書き留めてあった。

健康に育ってくれて感謝！と日々感謝していたはずなのに、今では顔を見るとつい小言が多くなっている。そんなことを反省しながら、ふと目の前の子どもたちを見つめたら、何だかとても愛おしい気持ちになり、母子健康手帳の記録を見せながら当時の様子を話してみた。子どもたちは嬉しそうに幼少期について多くの質問をしてきた。母子健康手帳のおかげで思いもかけず優しい時間を過ごすことができた。

母子健康手帳はいつになっても、母親と子どもの心と体の健康を見守ってくれる素晴らしい手帳だと改めて実感した。

（Y）