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2022.01.07

まだまだ改善の余地あり

そもそも母子健康手帳の原形とも言える妊産婦手帳が交付されたのは1942年。戦時下において物資の優先配給の保証などとして機能していたことから戦後も使用を継続。42年から45年の間配布されていた「乳幼児体力手帳」と妊産婦手帳を一冊にまとめられたものが、1948年から配布された母子手帳であり、1965年に正式名称が母子健康手帳に変更され今日に至る。

この手帳には妊娠や出産の経過から、小学校入学前までの健康状態、発育、発達、予防接種などの記録といった全国共通部分と、妊娠中の注意点などが記されている。子供に対する記述がとても細かく、様々なケースを想定した対処の方法が記されていたり、健康に発達しているか確認、記述できる表が豊富に存在する一方で、両親や妊産婦に対する記述が少ないように感じた。記述内容は子供で、知識として両親(妊産婦)に対するものがほとんどで、他に記述すべきものが十分あるように感じる。例を挙げると、ホルモンバランスが崩れてしまい精神的、体力的に不安定になってしまう時期、子供も大切だがまずは自分を大切にすべきだと私は思う。そのためにはバランスの良い食事、質の良い睡眠は不可欠であり、バランスの良い食事を心がけられるよう食事バランスガイドや、体調の優れない時に摂取すると良いものを描出した資料を追加すべきだと私は思う。また、追加するだけでなく、今の母子健康手帳は文章量がとても多く感じる。記述されていること全てが大切なことであるので多数の文書がまとめられているのは良いことであるが、文章のみではなく表やイラストを使って分かりやすく簡潔に伝えられるところは改良すべきではないかと考える。万が一の事があった時、文章を読み探し続けるよりも、表で記されていた方がはっと目につきやすく、軽くパニックになってしまっていても脳に情報が届きやすいと考えるからだ。

この「母子健康手帳」は世界15ヶ国で普及、50ヶ国で導入が勧められている。これほど世界でも称賛されているものであれば、子供だけでなく、両親(妊産婦)にも優しい手帳にしていくべきではないかと私は思う。

(食物栄養専攻 2年)

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